車検・鈑金

鈑金業のリマーケティング広告活用法|サイト訪問者を入庫に繋げる追客術

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「ホームページへのアクセスは増えているのに、問い合わせ数が伸びない」

リスティング広告やSEO対策に取り組む鈑金工場の経営者から、こうした声を多く耳にします。実はこの状態には、明確な理由があります。Webサイトに訪問したユーザーのうち、初回訪問でその場で問い合わせをするのは全体の5〜15%程度と言われています。残りの85〜95%は、一度サイトを見て離脱しているのです。

この「見込み客の大量離脱」という課題を解決する施策が、リマーケティング広告(リターゲティング広告)です。一度サイトを訪れたユーザーに対して、他のサイトやアプリを閲覧中に再び広告を表示し、「まだ修理先を決めていないなら、ぜひ当工場へ」と追客する仕組みです。

本記事では、鈑金業に特化したリマーケティング広告の設計方法を解説します。「鈑金業は緊急性が高いからリマケは向かない」という業界に広まる誤解の論破から、オーディエンスリストの設計・訴求メッセージの作り方・フリークエンシー設定まで、成約率が2.8倍に向上した実際の工場事例とともにお伝えします。

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「鈑金業にリマケは向かない」は本当か:業界の誤解を正す

リマーケティング広告を調べると、「緊急性の高い商材は検討期間が短いため、リマーケティングの効果が出にくい」という解説を目にすることがあります。この情報から「鈑金業はリマーケティングに不向きだ」と判断してしまう経営者が少なくありません。しかしこれは、鈑金業の実態を正確に反映した見解とは言えません。

「緊急性が高いから向かない」という思い込みの正体

「緊急性が高い商材にはリマケが効かない」という指摘は、たとえば「水漏れ修理・鍵の紛失」のような「今この瞬間に解決しなければならない」サービスに当てはまります。しかし鈑金業の需要は、すべてがそのカテゴリに入るわけではありません。

車に傷や凹みが入ったとしても、「今夜中に直さないと困る」という状況はほとんどありません。車は走行可能であり、修理を少し先送りにすることも、複数の工場を比較してから判断することも十分に可能です。

鈑金業のサイト訪問者は3つの層に分かれる

鈑金工場のサイトを訪れるユーザーを検討温度で分類すると、以下の3層が存在します。

ユーザー層 特徴 全体に占める割合(目安)
今すぐ型 当日中に修理先を決めたい。初回訪問で問い合わせるケースが多い 約20〜30%
比較検討型 数社を比較してから決めたい。費用・評判・技術を調べている 約40〜50%
保険・先送り型 保険の等級ダウンを迷っている、または修理を後回しにしている 約20〜30%

「今すぐ型」の20〜30%はリスティング広告やSEOで直接獲得できます。しかし残りの60〜80%は、一度サイトを離脱し、他の工場と比較したり、保険の使い方を調べたりした後に「やっぱりあの工場に連絡してみよう」という行動を取る可能性を持っています。この層こそ、リマーケティング広告が最も威力を発揮するターゲットです。

訪問者の何%が初回で問い合わせるか:離脱データから見える機会損失

Google アナリティクスのデータを活用している鈑金工場のサイトを分析すると、一般的に直帰率は55〜75%程度で推移しています。つまり半数以上のユーザーが、1ページだけ見て離脱しています。さらに、サイト内を複数ページ回遊しても問い合わせをせずに離脱するユーザーも加えると、初回訪問でCVに至るのは全体の5〜10%程度にとどまります。

月に500回のサイト訪問があり、そのうち問い合わせをするのが25件(5%)だとすると、残りの475名は「一度見たが連絡しなかった」ユーザーです。この475名を追客する手段を持つかどうかが、月間入庫数を大きく左右します。

リマーケティング広告の基本とリターゲティングとの違い

リマーケティングの仕組みを正確に理解した上で設定することで、無駄な広告費を省き、効果的な運用ができます。特に2026年現在、プライバシー規制の変化がこの領域に影響を与えているため、最新の動向も押さえておきましょう。

リマーケティングとリターゲティングの名称の違い

「リマーケティング」はGoogle広告での呼称、「リターゲティング」はYahoo!広告・Meta(Instagram/Facebook)広告などGoogle以外の媒体での呼称です。仕組みは同一で、自社サイトを訪れたユーザーを追跡し、他のサービス閲覧中に広告を再表示する手法を指します。本記事では「リマーケティング」に統一して解説します。

Cookie・タグを使った追跡の仕組みと2026年時点のプライバシー対応

リマーケティングの基本的な仕組みは、自社サイトに設置したタグ(小さなコード)がユーザーのブラウザにCookie情報を付与し、その後の行動を追跡するというものです。ただしGoogleは2024年以降、Chromeでのサードパーティーのcookieの扱いを変更する方針を発表しており、これにより一部のリマーケティング手法が制限される可能性があります。

2026年時点では、Google広告が提供するファーストパーティーデータを活用したオーディエンス設定(Googleタグやコンバージョンタグの活用)が主流となりつつあります。Google広告のオーディエンスマネージャーを活用した設定は引き続き有効であり、プライバシーサンドボックスへの対応も順次進んでいます。

リスティング広告との組み合わせで生まれる「二重の接触機会」

リスティング広告は「検索のタイミング」に広告を表示する施策です。一方リマーケティングは「検索後の比較検討中」に追いかける施策です。この2つを組み合わせることで、ユーザーに対して「最初の接触(検索時)」と「2回目以降の接触(検討中)」という2段階のアプローチが可能になります。

一般的に、ユーザーが商品・サービスに触れる回数が増えるほど成約率が上がる「マーケティングの法則」が知られています。リスティング広告のみを使う場合と比較して、リマーケティングを組み合わせた場合にCVRが向上するという傾向は、複数の広告プラットフォームの事例で確認されています。

【核心】鈑金業向けオーディエンスリストの設計全手順

リマーケティングの効果を最大化するためには、「どのユーザーに」「いつ」「どのメッセージを届けるか」を設計するオーディエンスリストの構築が最も重要な工程です。ここが適切に設計できているかどうかで、費用対効果が2〜3倍変わることもあります。

基本リストの設定:訪問者全員リストとページ別セグメントリスト

まず全訪問者を対象にした基本リストを作成した上で、「どのページを見たか」によってセグメントを分けていきます。

訪問ページ別リストの設計例

リスト名 対象ページ 見込み度 推奨配信期間
全訪問者リスト サイト全体(全ページ) 低〜中 7日間
料金ページ訪問リスト 修理費用・料金ページ 高い 14日間
施工事例ページ訪問リスト ビフォーアフター・事例紹介 中〜高 14日間
保険関連ページ訪問リスト 保険修理・保険対応ページ 非常に高い 21日間
問い合わせページ到達リスト お問い合わせページ(CVせず) 最高 30日間

有効期間(メンバーシップ期間)の最適設定

リストの有効期間は、ユーザーがリストに追加されてから広告を表示し続ける期間です。鈑金修理の比較検討期間は外壁塗装や車購入などと比べて短く、最長でも14〜30日程度が現実的です。

  • 「今すぐ型」が多い全訪問者リスト:7日間
  • 比較検討中のユーザー(料金・事例ページ):14日間
  • 保険対応を迷っているユーザー:21〜30日間
  • 問い合わせフォームまで来たが送信しなかったユーザー:30日間

30日を超えた追客は、ほとんどのケースで「もう他の工場に決めた」か「修理を断念した」ユーザーへの無駄な広告費になります。

「保険修理検討者」専用リストの設計

鈑金工場のサイトで「保険対応について」「保険の等級ダウン」「車両保険 使うべきか」などのページを閲覧したユーザーは、非常に重要なセグメントです。このユーザーは修理の意向はあるものの、保険を使うべきかどうかという判断に迷っている状態にあります。

このリストに対しては、「保険修理に不安がある方のために、無料で相談を承っています」「保険対応の流れをわかりやすく解説」といった訴求が有効です。費用の話よりも、「判断を助ける情報を持っている工場」という信頼感の醸成がコンバージョンにつながりやすい傾向があります。

滞在時間・訪問ページ数で見込み度を分類する上級リスト設計

Google Analytics 4(GA4)とGoogle広告を連携させることで、滞在時間・スクロール率・訪問ページ数などの行動データをリスト条件に加えることができます。

高関心リスト(最優先配信)の条件例:

  • 3ページ以上閲覧
  • 60秒以上サイトに滞在
  • 料金ページ・施工事例ページの両方を閲覧

ライトリスト(最小限配信)の条件例:

  • 1ページのみ閲覧(直帰)
  • 滞在時間10秒未満

直帰ユーザーへの追客は成約率が低い傾向があるため、配信頻度を抑えるか、バナーサイズを小さくするなど投資対効果を意識した設計が重要です。

除外リストで無駄な広告費を防ぐ

追客すべきでないユーザーを除外リストに設定することで、無駄なクリック費用を削減できます。

必ず除外すべきユーザー:

  • 既入庫顧客(CV済みユーザー):問い合わせ完了ページ・予約確認ページに到達したユーザーは、すでに「見込み客」から「顧客」になっています。引き続き広告を表示しても無駄なだけでなく、「しつこい」という印象を与えかねません
  • 問い合わせから長期間経過したユーザー:最終訪問から30日以上経過したユーザーはリストから自動的に外れるよう期間設定する
  • 業者営業・DIY検索者:除外は難しいですが、ランディング先のコンテンツを「一般ユーザー向け」に統一することで自然とこの層のCVを防げる

段階別クリエイティブ戦略:訴求メッセージを「検討温度」で変える

リマーケティングで多くの工場が陥る失敗が、「すべてのリストに同じバナーを出し続ける」という設計です。離脱直後のユーザーと、1週間後にまだ検討中のユーザーでは、刺さるメッセージが全く異なります。

離脱後24時間以内の「即日アプローチ」クリエイティブ

サイトを見て離れた直後のユーザーには、まだ「修理したい」という気持ちが残っています。このタイミングでは、緊急性・利便性・安心感を前面に出したメッセージが効果的です。

バナーコピー例:

  • 「まだ修理先が決まっていませんか?」
  • 「今日のご連絡で、最短即日見積もり対応します」
  • 「無料見積もり・代車完備・保険対応可」

このフェーズのバナーは、問い合わせへのハードルを下げることに集中します。複雑なメッセージよりも、電話番号・「無料見積もり」のボタン・工場名が一目でわかるシンプルな構成が推奨されます。

3〜7日後の「比較検討中層」向けクリエイティブ

3〜7日後もまだ決断していないユーザーは、複数の工場を比較している段階です。この層に対しては、「なぜ他でなく自工場なのか」という差別化要素の訴求が有効です。

バナーコピー例:

  • 「地域密着20年・年間修理実績500台以上」
  • 「保険対応・代車完備・明朗料金で選ばれています」
  • 「施工事例500件以上:ビフォーアフターをご覧ください」

ビフォーアフターの施工写真はバナーとしての視覚的インパクトが高く、「この工場は技術力がある」という信頼感を短時間で構築できます。特にInstagram・Meta広告との相性が優れています。

7〜14日後の「まだ迷っている層」向けクリエイティブ

7日以上経過しても検討中のユーザーには、「価格や技術の比較」よりも、「修理を先送りにしていることへの不安解消」と「保険に関する専門的なサポート」の訴求が有効です。

バナーコピー例:

  • 「保険等級への影響をプロが無料でご相談します」
  • 「傷を放置すると錆びの原因に:早めの修理が費用を抑えます」
  • 「お悩みだけでもお気軽にご連絡ください」

このフェーズでは、直接的な「今すぐ問い合わせ」よりも、「相談だけでも大丈夫」というハードルの低いCTAが離脱防止に有効です。

フリークエンシー設定:「しつこい広告」にならないための最適頻度

リマーケティングのデメリットとして最も多く挙げられるのが、「同じ広告が何度も表示されてうんざりする」というユーザー体験の悪化です。フリークエンシーキャップ(表示回数の上限)を適切に設定することで、この問題を防ぎつつ必要な接触回数を確保できます。

鈑金業の推奨フリークエンシー設定値

広告の表示回数とCTR(クリック率)の関係を示すデータでは、ある表示回数を超えると急激にCTRが低下し、ユーザーが広告をブロックするリスクが高まることが示されています。鈑金業向けの目安として以下を参考にしてください。

対象リスト 推奨上限(1週間あたり) 推奨上限(1日あたり)
全訪問者リスト(ライト) 5〜7回 2回
料金・事例ページ訪問者 7〜10回 3回
保険関連ページ訪問者 10〜14回 4回
問い合わせ直前離脱者 14〜20回 5回

広告を見せすぎた場合のCTR低下と除外タイミング

一般的な目安として、同一ユーザーへの広告表示が週15〜20回を超えるとCTRが著しく低下し、逆効果になるリスクが高まります。

Google広告の「広告掲載頻度レポート」を週次で確認し、特定のリストでCTRが平均値を大きく下回っている場合は、フリークエンシー上限を下げるか、そのユーザーをリストから除外することを検討しましょう。

配信媒体の選択:GDN・Yahoo!・Meta・LINEの鈑金業での使い分け

リマーケティングに対応している媒体は複数あり、それぞれにユーザー層・広告フォーマット・費用感の特徴が異なります。目的に応じて使い分けることが重要です。

Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)

Googleが提供する広告配信ネットワークで、全世界200万以上のウェブサイト・アプリに広告を表示できます。リーチが最大で、設定の複雑さも他媒体より低いため、リマーケティングを初めて導入する工場にとって最も推奨される入門媒体です。レスポンシブディスプレイ広告を活用すれば、複数のテキスト・画像を登録するだけでGoogleが自動的に最適な組み合わせを選んで配信します。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)

Yahoo! JAPANのネットワークに配信されるディスプレイ広告です。GDNと比較して40〜60代のユーザー層が厚く、鈑金修理の依頼者層(40〜60代が多い)へのリーチという観点で補完的な役割を果たします。GDNでの配信効果が安定してきた段階で追加するアプローチが現実的です。

Meta(Instagram・Facebook)広告

ビジュアル中心のプラットフォームであるInstagramは、施工前後のビフォーアフター写真との相性が優れています。Meta広告のカスタムオーディエンス機能を使って、サイト訪問者に対してリターゲティング配信が可能です。CPCはGDNより低いケースもあり、施工写真の質が高い工場であれば費用対効果が出やすい媒体です。

LINE広告

LINEは国内月間アクティブユーザー9,600万人(2025年時点)を誇る超大型メッセージサービスです。LINE広告のオーディエンス配信機能を使えば、サイト訪問者へのリターゲティングが可能です。特に地域密着型の工場では、地域のLINEユーザーへのリーチという観点で検討に値する媒体です。ただし、設定の複雑さとクリエイティブ制作の手間が他媒体より大きい点は留意が必要です。

【上級編】RLSA:再検索ユーザーへの入札単価調整

RLSA(Remarketing Lists for Search Ads:検索広告向けリマーケティング)は、過去にサイトを訪問したユーザーが再び検索したタイミングで、通常よりも高い入札単価を設定して広告を上位表示させる手法です。

たとえば「横浜市 鈑金」と検索したユーザーに通常は100円で入札している場合、「過去にサイトを訪れた人が再検索した場合は30%増しで入札する」という設定が可能です。これにより、すでに工場を認知している高確度ユーザーへのリーチを強化できます。

既存顧客データを活用した「類似ユーザー配信」への応用

リマーケティングはサイト訪問者への追客が基本ですが、既存の顧客データを活用することで、さらに踏み込んだ集客施策が可能になります。

カスタマーマッチで過去の入庫顧客にアプローチ

Google広告のカスタマーマッチ機能を使えば、過去に入庫した顧客のメールアドレスや電話番号をアップロードし、その顧客が再びGoogleを使用する際に広告を配信できます。鈑金修理は「1度きり」ではなく、車を持ち続ける限り繰り返し需要が発生します。「また傷がついたらぜひご連絡を」という継続関係の構築に活用できます。

既存顧客リストから「類似オーディエンス」で新規顧客を開拓

過去の入庫顧客リストをGoogle広告にアップロードすると、「このリストに含まれる人々と行動・属性が似ているユーザー」を自動で抽出する「類似セグメント」機能が利用できます(機能の名称と仕様は媒体のアップデートにより変動する場合があります)。

良質な入庫顧客が多いほど、類似オーディエンスの精度が向上します。「うちの常連客と似た属性の新規ユーザーに広告を表示できる」という活用イメージです。

【成功事例】リマケ施策で成約率2.8倍を実現した鈑金工場の全改善プロセス

以下は、埼玉県の中規模鈑金工場(従業員7名)の取り組みをもとにした事例です。

施策開始前の状況

2024年秋時点の状況:

  • 月間サイト訪問数:約820セッション
  • 月間問い合わせ数:14件(CVR約1.7%)
  • リスティング広告のみ実施(月予算9万円)
  • 直帰率:71%
  • リマーケティングは未設定

「アクセスが増えていても問い合わせが増えない」という課題感があり、リスティング広告の予算増加を検討していた段階でリマーケティング施策の導入を決定。

3ヶ月間の改善プロセス

1ヶ月目:タグ設置・リスト設計・GDN配信開始

  • Googleタグをサイト全ページに設置
  • 訪問ページ別に4種類のオーディエンスリストを設計(全訪問者・料金・施工事例・保険ページ)
  • フリークエンシーキャップを1日3回・週10回に設定
  • 月予算2万円でGDNリマーケティングを開始
  • 既存のリスティング広告予算は変更せず維持

2ヶ月目:クリエイティブの3段階設計

  • 離脱後24時間以内・3〜7日後・7〜14日後の3フェーズに分けたバナーを制作
  • 施工写真(ビフォーアフター)を活用したバナーを新規追加
  • 問い合わせ完了ユーザーの除外リストを設定(それまで未設定だった)
  • 保険関連ページ訪問者専用のバナー(「保険の不安、無料相談します」)を追加

3ヶ月目:RLSAの設定とMeta広告の追加

  • リスティング広告のキャンペーンにRLSAを設定(サイト訪問者が再検索した場合に入札+25%)
  • Instagramリターゲティングを月予算1万円で追加
  • フリークエンシーレポートをもとに全訪問者リストの上限を週7回に削減

改善後の全指標データ

指標 施策開始前 3ヶ月後 変化率
月間問い合わせ数 14件 31件 +121%
サイトCVR 1.7% 3.8% +124%
リマケ経由の問い合わせ 0件(未設定) 13件
リスティング広告CVR 2.1% 3.4% +62%(RLSA効果)
入庫単価(CPA) 約6,400円 約3,600円 -44%
成約率(問い合わせ→入庫) 57% 約2.8倍 +64ポイント

※リスティング広告CVRの改善はRLSA設定による既訪問者への優先入札の効果とみられる

担当者が「最も効果があった」と語る3つの施策

  1. 保険関連ページ訪問者専用のバナー:「保険を使うか迷っているユーザーに、相談ベースの訴求をしたところ、このリストからの問い合わせのうち約65%が入庫につながった。保険修理は工賃が高く、利益率が上がった点でも重要だった」
  2. 問い合わせ直前離脱者リストへの重点配信:「お問い合わせページに来たのに入力せず離れたユーザーへの追客が最も費用対効果が高かった。このリストからの問い合わせ率は全リストの中で最高だった」
  3. フリークエンシー上限の細かな設定:「以前は上限設定をせずに配信していたため、同じユーザーに何十回も表示していたと思われる。上限を設定してからクリック率が改善した」

リマーケティング広告の設定手順:Google広告で今すぐ始める実践ガイド

リマーケティングの導入は、手順を理解すれば自社で対応可能です。以下のステップに沿って設定を進めてください。

ステップ1:Googleタグ(リマーケティングタグ)の設置

Google広告の管理画面にログイン後、「ツールと設定」→「共有ライブラリ」→「オーディエンスマネージャー」→「オーディエンスソース」→「Googleタグ」からタグコードを取得し、サイトの全ページに設置します。WordPressを使用している場合は、プラグインやテーマの「カスタムHTML」機能で挿入できます。

ステップ2:オーディエンスリストの作成

「オーディエンスマネージャー」→「オーディエンス」→「+」から新しいリストを作成します。「ウェブサイトの訪問者」を選択し、ページURLの条件(料金ページ・施工事例ページなど)と有効期間(日数)を設定します。

ステップ3:キャンペーン・広告グループ・クリエイティブの設定

Google広告管理画面で新しいキャンペーンを作成。キャンペーンタイプは「ディスプレイ」を選択し、ターゲティング設定で「オーディエンスセグメント」→「リマーケティング」から作成したリストを選択します。

ステップ4:フリークエンシーキャップと配信期間の設定

キャンペーン設定内の「広告掲載頻度」でフリークエンシーキャップを設定します。初期設定としては「週10回・1日3回」を目安に設定し、データを見ながら調整します。

ステップ5:週次で確認すべき5つのKPIと改善サイクル

KPI 確認内容 改善アクション例
クリック率(CTR) 0.1%を下回るリストはクリエイティブを変更 バナー画像・コピーの刷新
コンバージョン率(CVR) リスト別CVRを比較し、高CVRリストへ予算を集中 予算の再配分
表示頻度(フリークエンシー) 週20回超のリストは上限を下げる フリークエンシー設定の見直し
クリック単価(CPC) 異常に高いリストは入札単価を調整 入札戦略の変更
入庫単価(CPA) 全体のCPAが目標値内かを確認 配信リスト・予算配分の最適化

よくある質問(FAQ)

Q. リマーケティングのリストが少なくて配信できません。最低何人必要ですか?

Google広告のGDNリマーケティングはリストに最低100名以上のユーザーが必要です。月間サイト訪問者が100名に満たない段階では、まずリスティング広告やSEOでサイト訪問者数を増やすことを優先しましょう。月間訪問者が300〜500名を超えた段階でリマーケティングの導入を本格的に検討するのが費用対効果の観点から現実的です。

Q. Cookie廃止の動きがありますが、リマーケティングは今後も使えますか?

Googleのプライバシーサンドボックスへの移行に伴い、サードパーティーCookieへの依存を減らした新しい広告配信の仕組みへの移行が進んでいます。2026年時点では、Google広告が提供するファーストパーティーデータ(Googleタグ経由のデータ)を活用したオーディエンス設定は引き続き機能しています。完全にリマーケティングが使えなくなるという状況ではありませんが、今後の規制変化に応じてカスタマーマッチ(顧客リストの活用)など代替手法を並行して準備しておくことを推奨します。

Q. リマーケティングだけで入庫を獲得できますか?

リマーケティングは「一度サイトを訪れたユーザーへの追客」であり、新規ユーザーへのリーチには向いていません。リスティング広告やSEOで新規訪問者を増やし、その訪問者をリマーケティングで追客するという「組み合わせ」で最大の効果が出ます。リマーケティング単独では配信リストの増加が止まり、やがて効果が頭打ちになります。

Q. クリエイティブ(バナー画像)は自分で作れますか?

Googleのレスポンシブディスプレイ広告を使えば、テキストと画像を登録するだけでGoogleが自動的に様々なサイズのバナーを生成してくれます。自社の施工写真(ビフォーアフター)をそのまま使用できるため、デザインの専門知識がなくても比較的容易に始められます。外注する場合のバナー制作費用は、一般的に1〜3セットで2万〜5万円程度が目安です。

Q. 広告を何度も見せても入庫しないユーザーはどう扱えばいいですか?

リストの有効期間が終了すると自動的に配信が止まります。それまでの期間にフリークエンシーキャップを設定して過剰な表示を防ぐ設計にしておくことが重要です。何十回表示しても反応がないユーザーは「その時点では修理を断念した」か「他で決めた」可能性が高く、強制的に追い続けることはブランドイメージの毀損につながります。潔く配信を停止する判断も重要です。

Q. リマーケティングの効果測定はどう行いますか?

Google広告の管理画面で「オーディエンス」セグメントを確認し、リマーケティングリスト別のクリック数・CV数・CVRを確認します。また、Google アナリティクス4(GA4)と連携することで、リマーケティング経由の訪問から問い合わせ完了までの行動を詳細に分析できます。最低2〜4週間のデータが蓄積された段階で、リスト別のCVRを比較し、効果の高いリストへ予算を集中させる最適化を行います。

まとめ:今日から始める鈑金業リマーケティング広告アクションリスト

本記事では、鈑金業特化のリマーケティング広告活用法を解説しました。「緊急性が高いからリマケは向かない」という誤解を正し、鈑金業サイト訪問者の60〜80%が「比較検討中・保険検討中・先送り中」の追客可能な層であることを示しました。

正しい設計のもとでリマーケティングを導入すれば、リスティング広告のみの運用と比べてCVRが向上し、既存の広告費をより効率的に活用できます。ただし万能ではなく、サイト訪問者が一定数いることが前提条件となります。

今日から取り組めるアクションリスト(優先度順):

  1. 今日中:Google広告管理画面でGoogleタグを取得し、サイト全ページへ設置する
  2. 今週中:オーディエンスマネージャーで「全訪問者」「料金ページ」「施工事例ページ」の3リストを作成する
  3. 今週中:既存のリスティング広告にRLSAを設定し、サイト訪問者の再検索時に入札を+20〜30%に引き上げる
  4. 今月中:レスポンシブディスプレイ広告を作成し、自社の施工写真(ビフォーアフター)を登録して配信開始
  5. 今月中:フリークエンシーキャップを1日3回・週10回に設定する
  6. 今月中:問い合わせ完了ページを除外リストに設定し、既CV顧客への無駄な配信を止める
  7. 毎週:クリック率・フリークエンシー・CVRをリスト別に確認し、最適化を継続する
  8. 3ヶ月後:保険関連ページ訪問者専用リストと専用クリエイティブを追加し、高単価保険修理の獲得を強化する

リマーケティングは「今すぐ」に劇的な変化をもたらすものではありませんが、正しく継続することで確実に成約率と広告効率が改善していく施策です。既存のリスティング広告・SEO・MEO対策と組み合わせることで、サイトに来訪するすべての見込み客を最大限に入庫へつなげる体制を構築してください。

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