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未使用車のTikTok広告入門|若年層集客術

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未使用車の販促にTikTok広告を検討しているものの、「本当に効果があるのか」「他の広告手法と何が違うのか」「何から始めればいいのか」と迷っていないでしょうか。

TikTokは国内の月間アクティブユーザー数(MAU)が4,200万人を突破し、日本の人口のおよそ3人に1人が利用するプラットフォームに成長しました。

2022年11月時点では2,120万人だったMAUが、わずか3年で2倍に伸びています。広告出稿企業も48万社を超えており、もはや一部の先進的な企業だけが使う特別な媒体ではなくなっています。

本記事では、未使用車の販促担当者に向けて、TikTok広告の基礎知識からクリエイティブ制作、運用の注意点、効果測定、他の集客手法との比較までを、公開されているデータと実例を交えながら解説します。

読み終える頃には、自社にTikTok広告が合っているかどうか、そしてどう始めればよいかを、ご自身の状況に照らして判断できるようになるはずです。

 

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なぜ未使用車の販促にTikTok広告が有効なのか

「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にする機会は多いですが、実際のデータを見ると印象は変わってきます。総務省の調査によれば、TikTokの利用率は10代で70.0%、20代で52.1%、30代でも32.0%に達しており、若年層への到達力は他のSNSと比べても際立っています。さらに、日産自動車がTikTok上で配信した動画では、広告接触者の認知率が非接触者に比べて36.9%高くなったという結果も報告されています。クルマのような高額な耐久消費財であっても、TikTok上のブランディングが購買前の検討段階で効果を発揮することが裏付けられた形です。

未使用車は「新車に近い品質を、中古車価格で手に入れられる」という分かりやすい価値を持っています。正式名称は「登録(届出)済未使用車」で、ディーラーが販売目標達成のために自社名義で登録した、実際には使用されていない車両を指します。走行距離は数十km程度、年式も当年か1年落ちがほとんどで、内外装ともに新品同様の状態を保っているケースが多いのが特徴です。この価値は、テキストや静止画よりも、車両の内外装や質感を動画で見せたほうが直感的に伝わりやすいという性質があります。TikTokは縦型・全画面表示で、スワイプするまで動画が流れ続けるため、他の媒体に比べて最後まで視聴されやすいという強みもあります。未使用車ならではの「新車同然の状態」を数十秒で見せきる動画フォーマットとの相性は、決して悪くないといえるでしょう。

未使用車広告とTikTokユーザー層の相性

未使用車の主な購入検討層は、初めてマイカーを持つ若年層や、コストパフォーマンスを重視する子育て世代など幅広く存在します。TikTokのユーザー構成を見ると、13〜24歳が世界全体の51.2%を占める一方、25〜34歳のミレニアル世代も23.3%と一定の割合を占めており、決して10代だけのプラットフォームではありません。未使用車の主要な検討層である20〜30代にも十分にリーチできる土壌があるといえます。

他のSNSと比較すると、それぞれ特徴が異なります。下記は媒体選定の参考として整理した比較です。

媒体 主な年齢層 動画表現の特性 未使用車販促での位置づけ
TikTok 10〜30代前半が中心 縦型全画面・スキップされにくい 若年層への新規認知獲得
Instagram(リール) 20〜40代 ビジュアル重視・保存されやすい 車両写真とのブランディング併用
YouTube 全年代・幅広い 長尺での詳細説明が可能 試乗レビューなど深い情報提供

未使用車の検討層が若返っている、あるいは新規顧客層を開拓したいという場合には、TikTokは有力な選択肢のひとつになります。一方で、既存顧客への丁寧な情報提供を重視するのであれば、YouTubeなど長尺コンテンツとの併用も検討する価値があります。

ただし、注意点もあります。TikTok広告では18歳未満のユーザーへの配信について、細かいターゲティングオプションの一部が制限されています。未使用車は自動車運転免許を持つ年齢層が主なターゲットになるため、実務上の影響は限定的ですが、年齢層をまたいだキャンペーンを設計する際には、この制限がターゲティングの精度にどう影響するかを事前に確認しておく必要があります。

 

TikTok広告のフォーマットと未使用車での活用法

TikTok広告には複数のフォーマットがあり、目的に応じて使い分けることが重要です。代表的なものを整理すると、以下のようになります。

フォーマット 特徴 未使用車での活用イメージ
インフィード広告(運用型) おすすめフィードに自然に表示される動画広告 車両紹介・接客あるある動画で認知拡大
TopView アプリ起動時に最初に表示される広告枠 大型キャンペーンや新入荷車両の告知
Spark Ads 既存の投稿やアカウントをそのまま広告化 店舗アカウントの人気投稿を広告として再配信
Automotive Ads(カタログ広告) 在庫データと連携し車種ごとに広告を自動生成 複数の未使用車在庫を一括でプロモーション

インフィード広告は最も一般的なフォーマットで、少額から始められるため、初めてTikTok広告に取り組む販売店に向いています。TopViewはアプリ起動時に必ず表示される分、単価は高くなりますが、大型キャンペーンや決算セールなど、短期間で大きな認知を獲得したい場面に適しています。Spark Adsは、店舗の公式アカウントがすでに一定のフォロワーやエンゲージメントを持っている場合に有効で、オーガニック投稿の信頼感を保ったまま広告配信できる点が特徴です。

未使用車のように在庫の入れ替わりが早い商材では、Automotive Adsのようなカタログ広告を使うことで、車種ごとに広告クリエイティブを作り直す手間を減らせる可能性があります。カタログには車両画像・価格・スペックなどのフィールドを設定でき、在庫の増減に応じて広告内容も自動的に更新される仕組みです。一方で、まずは低予算でインフィード広告からテストし、反応の良いクリエイティブの型を見極めてから配信量を拡大していくという段階的な進め方も現実的な選択肢です。

 

未使用車のTikTok広告クリエイティブ制作のポイント

TikTok広告で成果を出すうえで、クリエイティブの質は配信設定以上に重要だとされています。トヨタ自動車のTikTokアカウント運用事例では、動画シリーズの累計再生回数が1,450万回を超え、平均再生回数は103万回、最も再生された動画は530万回以上を記録しました。この事例に共通するのは、「広告らしさ」を排除し、コンテンツとして自然に受け入れられる構成にしている点です。担当者は「商品を広告しているのではなく、人生を広告している」という感覚で企画したと語っており、車そのものよりも、車がある生活を描くことで若年層に届けようとしています。

未使用車のクリエイティブで意識したいポイントは、大きく4つに整理できます。

1つ目は、冒頭2〜3秒で視聴者の興味を引くことです。TikTokユーザーは興味のない動画をすぐにスワイプしてしまうため、車両の外観や価格インパクトを最初に見せる構成が有効とされています。2つ目は、「未使用車ならではの魅力」を具体的に伝えることです。走行距離が数十kmという状態や、新車と比べた価格差を数字で見せることで、視聴者は自分ごととして検討しやすくなります。3つ目は、スタッフ出演型のコンテンツです。中古車販売店のTikTok活用事例では、販売員が実際に車両を説明する動画が、広告費をかけずに宣伝効果を生んでいるケースも報告されています。押しつけがましくない自然な語り口は、TikTokユーザーに受け入れられやすい傾向があります。4つ目は、音声・BGMへの配慮です。TikTokはミュートせずに視聴されることが多いプラットフォームのため、エンジン音や店舗の雰囲気音を活かした演出も、視聴維持率を高める工夫のひとつになります。

逆に避けたい表現もあります。「新古車」という呼称は、自動車公正取引協議会の規約により使用が認められていないため、動画のテロップやキャプションでも「未使用車」または「登録(届出)済未使用車」という正式な表記を用いる必要があります。また、テキストで埋め尽くされたような説明過多の構成は、TikTokユーザーの離脱を招きやすいとされており、情報を詰め込みすぎない構成が推奨されます。

 

TikTok広告の運用・配信設定の基本

クリエイティブが用意できたら、次は配信設定です。TikTok広告マネージャーでは、目的設定、ターゲティング、予算設定、クリエイティブのアップロードという流れでキャンペーンを作成します。目的設定では、認知拡大を重視するのか、Webサイトへの誘導やコンバージョン獲得を重視するのかによって、最適化イベントの選び方が変わります。未使用車の場合は、最終的に来店や商談につなげたいケースが多いため、Webサイトのクリックや、電話・LINEなどの問い合わせを最適化イベントとして設定することが一般的です。

ターゲティングでは、地域・年齢・興味関心などを組み合わせて設定できますが、未使用車のような来店・商談を伴う商材では、店舗の商圏に合わせた地域設定が特に重要になります。全国配信ではなく、店舗から一定の距離圏内に絞ることで、来店につながりやすいユーザーに予算を集中させやすくなります。

予算については、TikTok広告は他の運用型広告と同様、少額からテスト配信を行い、反応の良いクリエイティブや配信設定を見極めながら段階的に予算を拡大していくのが基本的な考え方です。最初から大きな予算を投じるのではなく、複数のクリエイティブパターンを並行してテストし、視聴完了率やクリック率を比較しながら最適化していく進め方が、リスクを抑えるうえで現実的です。

 

効果測定・改善の進め方

TikTok広告の効果を判断する際に確認したい指標には、いくつかの種類があります。代表的な指標を整理すると以下の通りです。

指標 見るべきポイント
6秒視聴率 冒頭でどれだけ視聴者を惹きつけられているか
視聴完了率 クリエイティブ全体の訴求が最後まで届いているか
CTR(クリック率) 動画からLPや在庫ページへの興味喚起ができているか
フォーム送信率・来店予約数 実際の商談・来店につながっているか

日産自動車の事例では、TikTok広告接触後にWebサイトへの来訪率が平均値の2倍以上になったという結果が報告されています。TopViewにおける6秒視聴率は平均値に対して2.4ポイント高い8.7%、運用型広告に限ると平均値より7ポイント以上高い13.4%を記録したとのことです。認知獲得だけでなく、その先の行動にどうつながっているかまで含めて効果を見ることが大切です。

未使用車の販促では、最終的な目標が来店や商談である以上、視聴回数やいいねの数だけでなく、LPへの遷移数や問い合わせ数まで含めて評価軸を設計しておくと、判断がぶれにくくなります。配信開始から一定期間が経過したら、クリエイティブごとの数値を比較し、反応の低いものは差し替え、反応の良いものは類似パターンを増やすというサイクルを回していくことが、中長期的な成果につながります。

 

自動車業界のTikTok広告成功事例

大手メーカーの事例を見ると、TikTok広告の可能性がより具体的に見えてきます。日産自動車は、クリエイターと連携したキャンペーンでエンゲージメント率が22%向上し、6秒ビュースルー率が121%増加、CTRは業界ベンチマークの3.5倍に達したと公表しています。トヨタ自動車は、車種ごとに同じフォーマットで展開できる動画シリーズを継続運用することで、単発のバズに頼らない安定した再生数を確保しています。

一方、地域の中小規模な自動車販売店の事例では、車の特徴を15秒程度の動画で紹介し、月間の販売台数が伸びたという報告や、スタッフの個性を活かした投稿によって来店客数が増えたという報告もあります。共通しているのは、大きな制作予算をかけずとも、スマートフォン1台で撮影した動画が成果につながっている点です。これは、大手ディーラーと同じ土俵で戦えるチャンスがあることを示しています。ただし、これらの数値は各社の公表事例や個別の取り組みに基づくものであり、業種・商材・地域が異なれば同じ結果が再現されるとは限らない点には留意が必要です。自社での取り組みを検討する際は、まず小規模なテストを行い、自社の顧客層や商圏における反応を確認することが望ましいでしょう。

 

未使用車のTikTok広告運用を始める際の注意点

TikTok広告に取り組む前に、押さえておきたい注意点が3つあります。

1つ目は炎上リスクです。TikTokは拡散力が強い分、不適切な表現や誤解を招く演出は瞬く間に広がる可能性があります。投稿前のダブルチェック体制を整えておくことが望ましいでしょう。2つ目は表示に関する規制です。未使用車は「登録済未使用車」が正式名称であり、自動車公正取引協議会の規約により「新古車」という表現の使用は認められていません。動画内のテロップやキャプションで誤解を招く表現を使わないよう注意が必要です。3つ目は、社内で制作・運用するか、外部の代理店やパートナーに委託するかの判断です。TikTok広告の運用は、クリエイティブの企画力と配信データの分析力の両方が求められるため、自社のリソースと照らし合わせて無理のない体制を選ぶことが、継続的な運用の鍵になります。

内製と外部委託を比較すると、それぞれにメリット・デメリットがあります。内製の場合は費用を抑えられる一方、動画制作やデータ分析のノウハウを自社で蓄積する必要があります。外部委託の場合は専門知識を活用できる一方、継続的な費用が発生します。どちらが適しているかは、社内の動画制作リソースや、担当者が他業務とどの程度兼務しているかによって変わってくるため、自社の状況に照らして判断することをおすすめします。

 

他の集客手法との比較で見るTikTok広告の位置づけ

TikTok広告を検討する際は、既存の集客手法と並べて特徴を比較しておくと、自社にとっての優先度が見えやすくなります。未使用車販売店が一般的に活用する手法と比較すると、以下のような違いがあります。

手法 主な強み 主な弱み 向いている目的
TikTok広告 若年層への到達力・低コストでの動画制作が可能 クリエイティブ制作・運用に一定のノウハウが必要 新規の若年層開拓・ブランド認知
折込チラシ・ポスティング 商圏内の高齢層にも届きやすい 若年層への到達率が低下傾向・効果測定が難しい 既存商圏内での認知維持
看板・店頭広告 通行客への継続的な露出 リーチが商圏内に限定される 来店動線上での想起獲得
Instagram広告 ビジュアル訴求・保存機能による再想起 年齢層がTikTokよりやや高め ブランディングと認知の両立

このように整理すると、TikTok広告は「これまでリーチできていなかった若年層に、低コストで動画を使って接点を作りたい」というニーズに合致しやすい手法だといえます。一方で、既存商圏の高齢層への安定した集客がすでに機能している場合は、無理にTikTok広告へ予算をシフトするのではなく、既存手法と組み合わせて補完的に活用するという選択肢も十分に考えられます。どの手法を選ぶか、あるいは組み合わせるかは、自社の顧客層構成や商圏特性を踏まえて判断することが大切です。

 

まとめ:未使用車のTikTok広告は「小さく始めて検証する」が基本

TikTokは国内MAU4,200万人という規模と、若年層への高い到達力を持つ一方で、未使用車という商材に特化した活用ノウハウはまだ十分に確立されていない分野です。だからこそ、他社の成功事例をそのまま真似るのではなく、自社の在庫特性やターゲット層に合わせて、少額のテスト配信から始め、反応を見ながら改善していく姿勢が重要になります。

まず取り組むべきアクションとしては、次の3ステップが現実的です。第一に、TikTok広告マネージャーでアカウントを開設し、少額予算でインフィード広告のテスト配信を行うこと。第二に、複数のクリエイティブパターン(車両紹介型・スタッフ出演型・価格訴求型など)を用意し、6秒視聴率やCTRを比較すること。第三に、反応の良かったクリエイティブの型を軸に、配信地域や予算を段階的に拡大していくことです。最後に、着手前に確認しておきたいチェックポイントを整理します。

  • 自社の主要顧客層と、TikTokの利用者層(10〜30代前半が中心)が重なっているか
  • 動画撮影・編集に使える人員や時間を、無理なく確保できるか
  • 「未使用車」の正式な表記ルールなど、表示に関する社内チェック体制があるか
  • 効果測定に使う指標(視聴完了率・CTR・問い合わせ数など)をあらかじめ決めているか
  • 最初の配信結果を踏まえて、クリエイティブや配信設定を見直すサイクルを回せる体制か

これらの項目に一つでも不安が残る場合は、いきなり本格運用に踏み切るのではなく、まずは1〜2本の動画で少額のテスト配信を行い、社内での運用イメージを固めるところから始めるとよいでしょう。逆に、体制面での準備が整っているのであれば、早めに着手して他店に先駆けたノウハウを蓄積していくことも、中長期的な競争優位につながります。

商材としての強みと媒体としての特性を掛け合わせながら、自社にとって無理のないペースで検証を重ねていく。それが、遠回りに見えて実は最も確実な進め方だといえるでしょう。

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執筆・監修:NEXTGATE LiSMOtech マーケティング事業部

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