車検・鈑金

自動車整備工場の集客は何から始めるか|車検・点検・修理で入口と成果を分ける

車検の時期になると電話が鳴り、それ以外の月は工場に空きが出る。整備工場の社長から最も多く聞く悩みです。ホームページや広告を始めても、車検の予約が少し増えるだけで、点検や修理の入庫は変わらないという声もよく聞きます。

原因の多くは、車検・点検・修理という性格の違う3つの入口を、1つのページと1つの成果でまとめて受けていることにあります。この記事では、整備工場がWEB集客を何から始め、入口ごとに何を数えればよいかを説明します。読み終えると、最初に作るページと、広告を出す順番が決められます。

この記事でわかること

  • 車検・点検・修理は、探す人も時期も違う。入口ごとに受け皿と成果の数え方を分ける
  • 最初に手を付けるのは車検。満了の2か月前から比べられる前提で、予約までの導線を作る
  • 新規の車検客を、点検・オイル交換・次の車検の予約につなげて初めて広告費が回収できる
入口ごとに、探す人と成果の数え方が違う
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整備工場の集客は、車検・点検・修理の3つの入口を分けて設計する

整備工場の集客は、車検・点検・修理の入口ごとに、受け皿のページと数える成果を分けて考えます。同じ工場の仕事でも、お客様が探す時期と探し方がまったく違うからです。

入口 お客様の状態 工場が数える成果
車検 満了日が近づき、価格や日数を比べて予約先を選ぶ 車検の予約件数と入庫台数
点検・オイル交換 多くは既存のお客様。時期を忘れていることが多い 次回の予約と来店の間隔
修理・故障 警告灯や異音で困り、今日か明日に近くで診てほしい 電話の件数と持ち込み台数

車検の入口は比較検討が中心で、広告とページで勝負がつきます。点検とオイル交換は、新しいお客様を探すより、一度来たお客様に時期を知らせるほうが効きます。修理は急いでいるお客様が多く、地図の検索から電話する流れが中心です。

車検の新規集客の施策は 車検集客のアイデア に一覧でまとめています。この記事はその前段として、整備工場の集客全体をどの順序で組むかを扱います。

最初に手を付けるのは車検。満了の2か月前から比べられる前提で作る

WEB集客を始める整備工場が最初に手を付けるのは、車検の入口です。時期が決まっていて検索で探す人が多く、1件あたりの売上も大きいため、広告費をかけても回収しやすいからです。

ここで押さえておきたいのが、車検を受けられる時期の変化です。2025年4月から、有効期間を失わずに継続検査を受けられる期間が、満了日の1か月前から2か月前に広がりました(国土交通省「道路運送車両法施行規則及び自動車損害賠償保障法施行規則の一部を改正する省令について」)。改正の目的は、年度末などに集中する車検の業務を平準化することとされています。

工場にとっては、お客様が比べ始める時期が前に延びたということです。満了の1か月前に案内を出していた工場は、その時点ですでに他社と比べ終えたお客様を逃している可能性があります。案内のはがきやLINE、広告の強める時期を、満了の2か月前より手前に合わせて見直してください。

年度末の繁忙期は、広告を止めるより予約を前に寄せる

3月に車検が集中して工場が埋まる場合、その時期に広告を強めても受けきれません。1月から2月に「早めの予約で空いている日を選べる」と案内し、繁忙期の入庫を前に寄せるほうが、工場の稼働も売上も安定します。受けきれない時期は、広告の予算を下げるか、配信を予約の受付に絞ります。

指定工場か認証工場かで、車検の訴求が変わる

車検の広告とページで最初に決めるのは、自社が何を約束できるかです。これは指定工場か認証工場かで大きく変わります。

指定工場は、自動車検査員が検査を行い、保安基準適合証を交付できる工場です。保安基準適合証を提出すれば、継続検査の際に国の検査場へ車を持ち込む手間を省けます(国土交通省「指定自動車整備事業制度について」)。一方の認証工場は、整備を行ったうえで車を検査場へ持ち込んで検査を受けます。

指定工場 認証工場
打ち出しやすいこと 自社で検査まで完結する手早さ、立ち会いの車検 整備の丁寧さ、説明、費用の分かりやすさ
ページで先に見せること 所要時間、予約できる日、待合の様子 預かる日数、代車、整備の内容と見積もり
避けたい書き方 条件が付くのに「必ず当日」と書く 持ち込みの日数を伏せて手早さを訴える

検索広告の広告文とページの最初の画面には、この約束をそのまま書きます。できないことを約束すると、問い合わせは増えても入庫の当日に断ることになり、口コミで評価を落とします。車検の検索広告の組み立ては 車検リスティング広告、予約につながるページの構成は 車検予約につながるLPの作り方 で詳しく扱っています。

入口ごとのページの分け方や、自社の工場で何を打ち出すべきかを一緒に整理したい場合は、無料相談フォームからご相談ください。

点検・オイル交換は、新規を探すより既存のお客様に時期を知らせる

点検やオイル交換の入口は、新しいお客様を広告で探すより、車検で来たお客様に次の時期を知らせるほうが効率よく入庫になります。単価が低いため、新規獲得の広告費を回収しにくいからです。

当社の支援経験では、整備の広告で成果が出ている工場ほど、車検の入庫時に次の接点を作っています。具体的には、次のような流れです。

  1. 車検の受付時に、公式LINEの友だち追加か、連絡先とお知らせの同意をもらう
  2. 車検証の満了日、走行距離、前回のオイル交換の時期を顧客台帳に残す
  3. オイル交換や点検の時期、次の車検の満了の2か月前より手前に、こちらから案内を送る
  4. 案内から予約した件数を数え、元の車検の広告の成果にも含めて見る

公式LINEで予約を受ける流れは 車検のLINE広告運用 を参照してください。LINE公式アカウントの機能や料金の一般的な説明は LINE公式アカウントで店舗集客するには? にまとめています。

修理・故障の入口は、地図と電話で受ける

警告灯が点いた、異音がする、エアコンが効かない。こうした修理の入口のお客様は、比べるより先に「近くで今日診てもらえるか」を知りたがっています。そのため、受け皿はホームページよりもGoogleマップのプロフィールと電話になります。

  • プロフィールに営業時間、受付の締め時間、持ち込みの可否、対応できない車種を書く
  • 整備の受付が販売と別なら、販売とは別のプロフィールに分ける
  • 電話を成果として数える。広告からの電話は、広告の管理画面で計測の設定ができる
  • 輸入車や大型車など受けられない車種の検索語には、広告を出さない

当社の支援経験では、輸入車を得意としない工場で輸入車関係の検索語に広告が出ていると、広告費がそのまま無駄になります。受けられる仕事の範囲を先に決め、検索語と広告文に反映してください。地図の検索で上位に出す方法は 車検のMEO対策、販売と整備でプロフィールを分ける考え方は 車屋・カーディーラーのMEO で説明しています。

広告費は、1台のお客様が数年で落とす売上から上限を決める

整備工場の広告費は、車検1回の売上ではなく、1台のお客様が次の車検までに落とす売上と粗利から上限を決めます。車検だけで広告費を回収しようとすると、払える単価が低くなり、競合に負けやすくなるからです。

数字は仮のものとして、式で示します。

項目 仮の数字 考え方
車検1回の粗利 20,000円 法定費用を除いた工賃と部品の粗利
次の車検までの点検・オイル交換などの粗利 15,000円 2年間に来てもらえた場合の合計
次の車検も自社で受ける割合 5割 自社の記録から出す
1台あたりの見込み粗利 45,000円 20,000+15,000+20,000×0.5

この仮の数字では、新規の車検1台に使える広告費の上限は、見込み粗利の範囲で決めることになります。どこまで使うかは、工場の空き状況と、利益として残したい額から決めてください。大事なのは、次の入庫につなげる仕組みがなければ、計算の2行目と3行目が0になることです。その場合は、車検1回の粗利だけで広告費を考える必要があります。

広告の単価と予算の決め方の一般論は 店舗集客のGoogle広告費用相場 で扱っています。整備工場ではこの式のように、次の入庫まで含めて上限を置くのが違いです。

販売店に併設した整備工場は、整備のお客様を次の車の商談につなげる

中古車販売店やディーラーに併設した整備工場は、整備の入口が販売の入口にもなります。整備で来たお客様は、乗っている車の年式や走行距離が分かっており、乗り替えの時期を工場の側で知ることができるからです。

車検の見積もりで修理費がかさむと分かったときや、車検の満了が近いときは、乗り替えの相談を受けやすい時期です。整備の受付から販売の担当へつなぐ決まりを作っておくと、広告費をかけずに商談が生まれます。販売側の集客全体は 自動車販売の集客方法 にまとめています。

広告を強めないほうがよい整備工場

整備工場の広告は、受け入れる体制が整っていないと、増えた問い合わせがそのまま機会損失になります。次の条件に当てはまる工場は、広告を強める前に準備を優先してください。

  • 工場の空きがなく、すでに予約が数週間先まで埋まっている。広告で増えた予約を受けきれません
  • 電話に出られる人がいない時間が長い。修理の入口は、出られなかった電話がそのまま他社に流れます
  • 車検の料金や所要時間をページに書けない。比べる材料が無いページには、広告で人を送っても予約になりません
  • 車検で来たお客様の連絡先や満了日を残していない。新規を取るたびに一から集め直すことになります

車検の広告媒体と予算の配分は 車検のデジタル広告 で扱っています。

代理店に任せるときに確かめること

整備工場の広告を代理店に任せる場合は、入口ごとの成果を分けて報告してくれるかを確かめます。車検の予約、修理の電話、点検の再来店を1つの「コンバージョン」にまとめた報告では、どこにお金をかけるべきか判断できません。

工場から代理店へ伝えること 代理店から受け取るもの
指定工場か認証工場か、約束できる所要時間 入口ごとの予約・電話の件数と単価
受けられない車種と作業 除外した検索語と追加した検索語
月ごとの工場の空き状況 繁忙期の前に予約を寄せる配信の計画

代理店を選ぶときの見方は 広告代理店の選び方 にまとめています。販売向けの記事ですが、成果の定義を先に決めるという考え方は整備工場でも同じです。

よくある質問

整備工場にホームページは必要ですか

車検の入口で広告を使うなら必要です。料金、所要時間、予約できる日が分かるページが無いと、広告で人を送っても比べる材料が無く、予約になりません。修理の入口だけなら、Googleマップのプロフィールと電話で受けることもできます。

車検の案内はいつ送ればよいですか

2025年4月から満了日の2か月前から受けられるようになったため、その時点で比べ始めるお客様がいます。2か月前より手前に最初の案内を送り、満了が近づいたら2回目を送る形が考えられます。自社の予約が入った時期を記録し、反応の良い時期に合わせて調整してください。

車検の価格比較サイトに載せるべきですか

新規の車検客を増やす手段の1つですが、掲載の費用と、そこから来たお客様が点検や次の車検で戻ってくるかを合わせて判断します。1回きりのお客様が多いなら、その分を自社のページと広告に回すほうが、次の入庫につながる顧客台帳が残ります。

オイル交換の広告は出すべきですか

単価が低いため、オイル交換だけで広告費を回収するのは難しくなります。出すとすれば、初めてのお客様との接点として扱い、その後の点検や車検の予約まで数えて判断します。

まとめ

整備工場の集客は、車検・点検・修理の3つの入口で、探す人と時期、数える成果が違います。最初に手を付けるのは車検で、満了の2か月前から比べられる前提で、予約までのページと広告を作ります。指定工場か認証工場かで約束できることを決め、点検とオイル交換は既存のお客様に時期を知らせ、修理は地図と電話で受けます。広告費は、1台のお客様が次の車検までに落とす粗利から上限を決めてください。

入口ごとの成果の置き方と広告の設計は無料相談フォームからご相談ください。支援内容はサービス紹介資料にまとめています。

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執筆・監修:NEXTGATE LiSMOtech マーケティング事業部

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