中古車販売店の広告代理店の選び方|契約前に確認する項目と、報告書で見るべき数字
広告代理店から毎月報告書は届くものの、その数字が店の売上とどうつながっているのか分からない。乗り換えを考えて何社か話を聞いたが、どこも「自動車業界の実績があります」と言うので違いが見えない。中古車販売店の社長や店長から、こうした相談をよく受けます。
この記事では、代理店を比べるときに契約書と報告書で何を確かめればよいかを、確認する順に説明します。読み終えたときに、次の商談で代理店に聞く質問が決まっている状態を目指します。
この記事でわかること
- 代理店は「何を成果として数え、来店と成約まで報告できるか」で選ぶ
- 手数料の形とアカウントの名義は、解約するときに効いてくる
- 報告書の数字から、来店単価と成約単価を自分で出せるようにしておく


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中古車販売店の代理店選びは、成果の数え方と報告の中身で決まる
結論から言うと、中古車販売店が代理店を選ぶときに最初に確かめるのは、何を成果として数えるかです。実績の件数や担当者の人柄は、その後で比べれば足ります。
理由は、在庫販売の中古車店では、問い合わせをせずに来店するお客様が多いからです。当社の支援経験でも、ホームページで在庫を見てから、連絡なしで展示場に来る方が多くいます。問い合わせ件数だけを成果にして広告を調整すると、問い合わせは増えても来店が減ることがあります。
一方で、低金利ローンやリース、自社ローンで売っている店は、審査の相談が入口になるため問い合わせを重視します。整備や鈑金も、問い合わせがそのまま入庫につながります。つまり成果の置き方は店の売り方で変わり、それを最初の打ち合わせで聞いてくる代理店かどうかが分かれ目です。
代理店の種類や、良い代理店と悪い代理店の考え方は 良いWEB広告代理店と悪いWEB広告代理店の違い にまとめています。本記事は、その考え方を契約書と報告書でどう確かめるかに絞ります。
契約前に確認する6つの項目
比較するときは、次の6項目を各社に同じ形で聞き、書面で答えをもらいます。口頭の説明は担当者が替わると残らないためです。
| 確認する項目 | 確かめること | 確かめないと起きること |
|---|---|---|
| 成果の定義 | 来店を数えるか、問い合わせだけか | 問い合わせは増えたのに来店が減る |
| 手数料の形 | 広告費を増やすと手数料も増えるか | 費用対効果より増額の提案が先に来る |
| アカウントの名義 | 自社名義で、自社が管理者権限を持つか | 解約すると過去の配信データが手元に残らない |
| 契約期間と解約 | 最低契約期間、解約の申し出の時期 | 成果が出なくても数か月は払い続ける |
| 制作の範囲 | バナー、広告文、ページの修正が含まれるか | 修正のたびに見積と稟議が発生して止まる |
| 報告の中身 | 来店・成約・粗利まで並べるか | 数字が良く見えても売上との関係が分からない |
成果の定義は「来店を数える方法」まで聞く
「来店を重視します」と言う代理店は多いので、どうやって来店を数えるのかまで聞きます。Google広告の来店コンバージョン、来店予約フォーム、店頭アンケート、電話件数など、答えが具体的に返ってくるかを見ます。数え方は後の章で詳しく説明します。
手数料は金額より「形」を見る
手数料の額そのものより、何に連動して決まるかを確認します。形によって、代理店が何をすれば得をするかが変わるためです。この違いは次の章で説明します。
手数料の料金体系ごとの違いや、交渉できる範囲は、業種を問わない話なので広告代理店の運用手数料はどう決まるかで詳しく扱っています。ここでは、販売店が確かめるべき点に絞ります。
アカウントは自社名義にして、管理者権限を持つ
広告アカウントを代理店名義で作る契約だと、解約時にアカウントを引き継げない場合があります。どの検索語句で来店や問い合わせが出ていたかという数年分のデータは、次の代理店に渡すときの一番の資産です。
Google広告では、アカウントへのアクセスの許可や権限の変更、管理用アカウント(MCC)とのリンク解除は「管理者」の権限でできます(Google 広告ヘルプ「Google 広告アカウントのアクセス権の種類について」、2026年9月確認)。自社が管理者として入り、代理店に権限を渡す形にしておけば、解約時も自社の判断で権限を外せます。Googleアナリティクス、Googleビジネスプロフィール、Yahoo!広告のアカウントも同じ考え方で名義を確認します。
制作の範囲は、在庫が変わる前提で決める
中古車店は在庫の構成が頻繁に変わります。入荷に合わせてバナーや広告文を差し替えられないと、売れた車の広告が出続けます。月に何回まで修正が含まれるか、ホームページの在庫ページの修正は誰がやるかを先に決めておきます。
比較する代理店の候補に当社を入れていただく場合も、この6項目にそのままお答えします。項目ごとの確認は無料相談フォームからお送りください。
手数料の形によって、代理店が動く方向が変わる
手数料は大きく、広告費に対する割合で決まる形、毎月の固定額、成果に応じて払う形に分かれます。どれが正しいということはなく、それぞれ代理店が得をする方向が違うので、その向きを知ったうえで選びます。
| 手数料の形 | 代理店が得をする方向 | 店側が見ておくこと |
|---|---|---|
| 広告費に対する割合 | 広告費が増えること | 増額の提案に、来店と成約の根拠が付いているか |
| 毎月の固定額 | 作業を増やさないこと | 修正や分析がどこまで含まれるか |
| 成果に応じた支払い | 成果として数える件数が増えること | 何を1件と数えるか。いたずらや業者の問い合わせを除くか |
たとえば広告費の割合で手数料が決まる契約では、広告費を増やすほど代理店の売上が増えます。当社の支援経験でも、費用対効果が合っていないのに増額だけを提案される店は少なくありません。増額の提案が来たら、「その予算でどの検索語句に広告を出し、今のホームページで受け止められるのか」を聞き返してください。
成果報酬の形は分かりやすく見えますが、成果を問い合わせ件数にすると、来店につながらない問い合わせまで増やす方向に調整されがちです。中古車販売で成果報酬を選ぶなら、1件の定義を契約書に書いておきます。
代理店に任せる範囲や、予算の話し合い方は 中古車販売店の上手なWEB広告代理店との付き合い方 も参考にしてください。
報告書で見るべき数字は、来店単価と成約単価
報告書で最初に見るのは、クリック数やクリック率ではなく、来店1組と成約1台にいくらかかったかです。広告の数字が良くなっても、来店と成約が増えていなければ店の売上は変わりません。
計算は次の式で、報告書の数字と店の台帳があれば社長自身で出せます。
- 来店単価 =(広告費 + 代理店手数料)÷ 広告経由の来店組数
- 成約単価 =(広告費 + 代理店手数料)÷ 広告経由の成約台数
- 広告の粗利回収 = 広告経由の成約台数 × 1台あたりの粗利 −(広告費 + 代理店手数料)
仮の数字で計算してみます。広告費が月30万円、手数料が月6万円で、広告経由の来店が20組、成約が8台だったとします。来店単価は36万円÷20組で1.8万円、成約単価は36万円÷8台で4.5万円です。ここで手数料を入れ忘れると、成約単価を3.75万円と低く見積もってしまいます。
この数字を、ポータルサイトの掲載費から出した成約単価や、1台あたりの粗利と並べて比べます。並べられる形で報告書を出してくれるか、少なくとも広告費と手数料を分けて書いてくれるかが、代理店を比べる基準になります。
月ごとの上下で判断しない
車は検討期間が長く、広告を見た月と来店する月がずれます。当社では媒体ごとの費用対効果を3か月単位で見て、配分の見直しは四半期に1回に留めることをおすすめしています。報告書も、単月の数字と3か月の合計を並べてもらうと判断しやすくなります。
自社のWEB担当者がどの数字を追うべきかは 車屋のWEB集客担当の仕事内容とKPI で説明しています。
来店の数え方と、数えられないときの代わりの指標
来店を数える方法はいくつかあり、どれか1つで完全に数えられるものはありません。代理店がどの方法を使い、その弱点をどう補うつもりかを聞きます。
Google広告の来店コンバージョン
Google広告には、広告を見た人の実店舗への来店を推計して表示する来店コンバージョンがあります。ただし誰でも使えるわけではなく、広告で住所アセットを使っていること、ビジネスプロフィールで店舗所在地の確認が済んでいること、クリック数や表示回数と来店数が十分にあることなどが条件です(Google 広告ヘルプ「来店コンバージョンについて」、2026年9月確認)。
広告費が少ない店や、始めて間もない店では、条件を満たせず来店が表示されないことがあります。「来店コンバージョンで測ります」とだけ答える代理店には、自社の予算で表示される見込みがあるかを確認してください。
来店予約、在庫の問い合わせ、電話
来店コンバージョンが使えない場合は、来店予約フォームの送信、在庫確認の問い合わせ、ホームページからの電話タップを中間の指標にします。これらは来店そのものではないので、店頭で実際に来たかを後から突き合わせます。
店頭のアンケート
「何を見て来ましたか」という来店アンケートは手軽ですが、お客様の記憶は曖昧です。ポータルサイトで知ってホームページで決めた方が、どちらか一方だけを答えることもよくあります。アンケートは他の数字と合わせて読み、単独で媒体の良し悪しを決めないようにします。
数字が落ちたときにどこから確認するかは WEB集客に苦戦したら見るべき箇所 にまとめています。
代理店に任せないほうがよい店、乗り換えを急がないほうがよい場合
すべての店に代理店への依頼が合うわけではありません。次に当てはまる場合は、先に社内で整えることをおすすめします。
- 在庫がWEBに載るまで日数がかかっている。広告で集めても、見せる在庫が無い
- ホームページに在庫ページが無い、または数か月更新されていない。広告の受け皿が無い
- 広告費を月ごとに大きく増減させる予定がある。3か月続けないと評価できない
- 広告経由の来店や成約を店頭で記録する人がいない。どの代理店でも報告の精度が上がらない
乗り換えについては、今の代理店に不満があっても、契約から3か月たっていないなら判断を急がないほうがよい場合があります。まず今の代理店に、上の6項目と来店単価の報告を依頼してみてください。それに答えられないなら、乗り換えを考える理由になります。
また、広告費が少なすぎると、どの代理店でも運用の差が出にくくなります。予算の考え方は 車屋・中古車販売店がかけるべき自社ホームページ販促費 を参考にしてください。
代理店を比べるときの進め方
比較は次の順で進めると、各社の答えを同じ物差しで並べられます。
- 自社の成果の定義を決める。在庫販売なら来店、ローンやリース中心なら問い合わせを主に置く
- 現在の広告費、手数料、来店組数、成約台数を3か月分まとめ、今の来店単価と成約単価を出す
- 候補の代理店に同じ資料を渡し、6項目への回答と、3か月後に何の数字をどう変えるかの提案をもらう
- 店舗に来て展示場と在庫を見たいと言うかを確認する。在庫の特徴を知らないと、広告文やバナーが当たり障りのない内容になる
- 契約書で、アカウントの名義、解約の条件、制作の範囲を確認してから決める
リスティング広告そのものを始めるか迷っている段階なら、リスティング広告を検討する際に知ってほしいこと から読むと、代理店に何を頼むかを決めやすくなります。
よくある質問
自動車業界の実績がある代理店なら安心ですか
実績の有無だけでは判断できません。中古車販売と整備・鈑金では成果の置き方が逆になるため、「自動車業界」の中でも自社と同じ売り方の店を支援しているかを聞いてください。
報告書にクリック率やインプレッションしか載っていません
それだけでは来店と成約への影響が分かりません。広告費と手数料を分けた金額と、中間指標(来店予約や在庫問い合わせ)の件数を載せてもらうよう依頼し、来店と成約は店の台帳と突き合わせます。
代理店を替えると、広告の成果は一度落ちますか
アカウントを自社名義で引き継げれば、過去の配信データを使えるので影響は小さくなります。新しいアカウントで一から始める場合は、配信が安定するまで時間がかかる前提で、切り替え月を繁忙期から外すと安全です。
社内で運用する選択肢はありますか
設定だけなら社内でもできます。ただし在庫の入れ替わりに合わせた検索語句の追加や除外、広告文の差し替えを毎週続ける担当者がいるかが条件です。パソコンに向かう時間を確保できないなら、運用は外に任せ、成果の定義と報告の確認を社内で持つ分け方が現実的です。
代理店選びと広告費の判断で、あわせて読みたい記事
代理店を選ぶ前に、自社で決めておくことと、任せたあとに確かめることがあります。問いごとに記事をまとめました。
そもそも外部に任せるべきか、社内に担当者を置くべきか
社内の担当者に何を任せ、何を外部に出すかで、代理店に求める役割が変わります。WEB集客担当者は必要かと、担当者の仕事内容とKPIで整理しています。
良い代理店と、成果の見えにくい代理店の違い
来店を成果として数えているか、在庫や売り方の違いを運用に反映しているかが分かれ目です。良い代理店と悪い代理店の違い、代理店との付き合い方、代理店から見た中古車販売店の集客を参考にしてください。
どの広告から始めるか
予算が限られるときは、媒体を増やす前に優先順位を決めます。中古車販売店のWEB広告の優先順位と、Google広告とYahoo!広告のどちらを出すかにまとめています。
当社の支援内容は自動車業界のWEB広告代理店としてのリスモテックで紹介しています。自社の状況で何から見直すべきかは、無料相談フォームからご相談ください。
まとめ
中古車販売店の広告代理店は、実績や印象より、何を成果として数え、来店と成約まで報告できるかで選びます。契約前には、成果の定義、手数料の形、アカウントの名義、契約期間と解約、制作の範囲、報告の中身の6項目を書面で確認してください。
報告書が届いたら、広告費と手数料を合わせた金額を来店組数と成約台数で割り、来店単価と成約単価を出します。その数字をポータルサイトや1台あたりの粗利と並べて見ることが、代理店を評価する一番確かな方法です。
今の報告書の見方や、代理店を比べる前の数字の整理は無料相談フォームからご相談ください。支援内容はサービス紹介資料にまとめています。
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