中古車販売店のポータルサイト掲載費は高いのか|反響1件と成約1台あたりで自社集客と比べる
カーセンサーやグーネットの請求書を見て、「毎月これだけ払う価値があるのか」と考えたことのある販売店は多いはずです。一方で、自社のホームページや広告に予算を移して、来店が減ったらどうするのかという不安もあります。
ポータルサイトの掲載費が高いかどうかは、月額では判断できません。反響1件あたり、来店1組あたり、成約1台あたりの費用を、自社集客と同じ物差しで並べ、最後に販促費を引いた粗利で比べます。この記事では、その計算のしかたと、ポータルを減らす前に確かめること、2026年4月に始まったカーセンサーの反響課金を選ぶときの考え方を整理します。例に使う数字はすべて仮の数字です。自店の数字に置き換えて使ってください。
この記事でわかること
- ポータルと自社集客は、反響1件・来店1組・成約1台あたりの費用と、販促費を引いた粗利で比べる
- 反響の単価だけで比べると、問い合わせなしで来店する客が多い自社集客が不利に見える
- ポータルで店を知り、ホームページで確かめてから来店する客がいるため、ポータルを減らすと自社集客の数字も落ちることがある
- カーセンサーは2026年4月から反響ごとの課金を選べるようになった。月額と比べる損益分岐の式を示す
- 配分を変えるのは、3か月続けて比べてから。毎月変えると何が効いたのか分からなくなる


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ポータルの掲載費は、成約1台あたりの費用と残る粗利で判断する
最初に結論を示します。ポータルサイトの費用対効果は、次の3段で比べます。
- 反響1件あたりの費用(月の費用 ÷ 問い合わせと見積もり依頼の件数)
- 来店1組あたりの費用(月の費用 ÷ 来店した組数)
- 成約1台あたりの費用(月の費用 ÷ その経路で決まった台数)
そのうえで、1台の粗利から成約1台あたりの費用を引いた額に台数を掛けた「販促費を引いた粗利」で、ポータルと自社集客のどちらが店に利益を残しているかを見ます。反響の単価が安くても、価格で比べられて粗利が薄い台数ばかりが増えるなら、店に残るお金は増えません。
ポータルでは同じ条件の車が並ぶため、価格で比較されやすくなります。当社の支援経験でも、ポータルに集客を頼っている店ほど価格で判断されやすいと感じています。費用だけでなく、経路ごとの粗利の違いまで含めて比べるのはそのためです。
集客の手段全体の中でのポータルの位置づけは、自動車販売の集客方法で整理しています。
反響の単価だけで比べると、自社集客が不利に見える
ポータルと自社集客を反響の単価だけで比べると、多くの場合ポータルが有利に見えます。理由は、販売店の来店の多くが問い合わせを経由しないためです。自社のホームページを見た人は、在庫と店の雰囲気を確かめて、そのまま来店することがよくあります。問い合わせの件数だけを数えると、この来店が抜け落ちます。
仮の数字で比べてみます。
| 項目 | ポータル | 自社集客(ホームページと広告) |
|---|---|---|
| 月の費用 | 30万円(掲載費とオプション) | 25万円(広告費20万円と、ページの更新費5万円) |
| 問い合わせと見積もり依頼 | 60件 | 20件 |
| 反響1件あたり | 5,000円 | 12,500円 |
| 来店した組数 | 30組(反響から) | 25組(反響から10組、問い合わせなしで15組) |
| 来店1組あたり | 10,000円 | 10,000円 |
| 成約した台数 | 12台 | 10台 |
| 成約1台あたり | 25,000円 | 25,000円 |
| 1台の粗利(仮) | 20万円 | 25万円 |
| 販促費を引いた粗利 | 210万円 | 225万円 |
反響の単価ではポータルが半分以下ですが、来店まで数えると同じになり、粗利まで見ると自社集客のほうが多く残ります。もちろん、店によって結果は逆になります。大事なのは、同じ段まで数えてから比べることです。
問い合わせなしの来店は、来店時のアンケートや、受付での「何を見て来ましたか」の聞き取りで数えます。ただし、アンケートは営業担当が聞き、お客様の記憶もあいまいです。数字をそのまま信じすぎないように、3か月分をならして見てください。
比べる前に、経路ごとの数字をそろえる
比べ方が決まっても、数字がそろっていなければ比べられません。最低限、次の5つを経路ごとに月単位で記録します。
| 記録する数字 | ポータル | 自社集客 |
|---|---|---|
| 月の費用 | 掲載費、有料オプション、反響課金の請求額 | 広告費、ページの更新や保守の費用 |
| 反響の件数 | ポータルの管理画面の問い合わせと見積もり依頼 | フォーム、電話、LINEの件数(業者や営業の連絡は除く) |
| 来店の組数 | 反響から来店した組数 | 反響から来店した組数と、問い合わせなしで来店した組数 |
| 成約の台数 | その経路で決まった台数 | 同左 |
| 1台の粗利 | その経路で売れた車の平均 | 同左 |
反響の件数は、実際に商談になりうる問い合わせだけを数えます。計測上の件数には、業者からの営業や販売と関係のない連絡が混ざるためです。
経路ごとに粗利を分けて記録している店は多くありません。最初は、成約した車の粗利を経路の欄に書き足すだけで十分です。自社ホームページの集客を伸ばす考え方は、自社ホームページで総集客数を伸ばす方法で扱っています。
ポータルを減らす前に確かめること
比べた結果、自社集客のほうが粗利を残していたとしても、すぐにポータルを減らしてはいけません。ポータルで店を知り、ホームページで店を確かめてから来店している客がいるためです。この場合、ポータルを減らすと、ホームページ経由の来店も一緒に減り、総来店数が落ちます。
減らす前に、次の3つを確かめます。
- 在庫を仕入れてすぐに全台載せられているか。仕入れから掲載までに日数がかかっているなら、ポータルを使い切れていない。先にそこを縮める
- ポータルの掲載内容を整えているか。車両名に装備を書く、1枚目の写真に屋号の帯を付ける、写真を多めに載せるなど、同じ費用で反響を増やす余地が残っていないか
- ホームページが、ポータルから来た人の確認に耐えるか。在庫がすぐ見られるか、店の強みが伝わるか。ここが弱いと、ポータルを減らしたときの落ち込みが大きくなる
当社の支援経験では、普通車は「ポータルで探し、ポータルで決める」、軽自動車は「ポータルで知り、ホームページで決める」傾向があります。軽自動車の比率が高い店ほど、ポータルとホームページが一体で効いているため、片方だけを減らす判断は慎重にします。
在庫が多い店では、ポータルの上位表示のためのオプション費用が膨らみやすくなります。在庫台数が増えるにつれて、自社ホームページに力を移していくほうが合う店もあります。手を付ける順序は中古車販売店が取り組むべきWEB集客の優先順位で詳しく紹介しています。
カーセンサーの反響課金を選ぶときは、損益分岐の件数で判断する
カーセンサーは2026年4月から、掲載車両への問い合わせの件数に応じて料金が決まる課金方式を導入しました。従来の掲載課金も選べます。リクルートによると、不正な問い合わせや営業電話など、販売と関係のない反響には課金しないとしています(リクルートホールディングス『カーセンサー』の従量課金導入とビジネスモデル変革)。反響1件あたりの単価は公表されていないため、見積もりで確認します。
どちらを選ぶかは、次の式で決めます。
損益分岐の反響件数 = 掲載課金の月額 ÷ 反響課金の1件あたりの単価
毎月の反響がこの件数より少なければ反響課金が、多ければ掲載課金が安くなります。仮に月額30万円の掲載課金と、1件5,000円の反響課金を比べると、損益分岐は60件です。月40件前後の店なら反響課金のほうが安く、月80件を超える店なら掲載課金のほうが安くなります。
ただし、反響課金にすると、問い合わせの質を上げる工夫の意味が変わります。問い合わせが増えるほど費用も増えるため、来店や成約につながらない問い合わせを減らす掲載内容(価格の内訳、車の状態、保証の範囲をはっきり書く)がより大事になります。反響課金に切り替えた月は、反響1件あたりではなく、来店1組あたりと成約1台あたりの費用の変化を見てください。
口コミサイトや予約サイトなど、業種を問わない外部ポータルとの付き合い方は、当社のコーポレートサイトの口コミ・予約ポータルサイトは使い続けるべきかで扱っています。
配分は3か月続けて比べてから変える
車は検討期間が長く、ポータルで見た車を翌月に買いに来る人もいます。月ごとに配分を変えると、どの変更が効いたのかが分からなくなります。
- 今の配分のまま、上の5つの数字を3か月記録する
- 3か月分をまとめて、経路ごとの成約1台あたりの費用と、販促費を引いた粗利を出す
- 配分を変えるなら一度に大きく動かさず、変えた後も3か月は同じ配分で続ける
- 変えた後は、経路ごとではなく店全体の来店数と販売台数が落ちていないかを必ず見る
自社集客に回す広告費をいくらにするかは、商圏の人口から目安を出す考え方を自社ホームページにかける販促費で紹介しています。
ポータルの費用を見直さなくてよい店、見直したほうがよい店
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 在庫の掲載が遅れている、掲載内容を整えていない | 費用を見直す前に、ポータルを使い切る |
| 自社ホームページが古く、在庫がすぐ見られない | ポータルは減らさない。先にホームページを整える |
| ポータル経由の粗利が他の経路より明らかに薄い | オプションの付け方と、自社集客への配分を見直す |
| 月の反響件数が少なく、掲載課金の月額が重い | 反響課金との損益分岐を計算する |
| 経路ごとの来店と成約を数えていない | 判断を保留し、まず3か月記録する |
よくある質問
カーセンサーとグーネットは両方に載せるべきですか
予算に余裕があれば両方に載せ、余裕がなければ最初だけ両方に載せて、成約1台あたりの費用が良いほうを残すのが基本です。どちらの料金も店ごとの見積もりで決まるため、同じ物差しで比べてください。
反響の単価はどのくらいなら安いと言えますか
単価だけでは判断できません。問い合わせから来店、来店から成約に進む割合が経路ごとに違うためです。成約1台あたりの費用と、販促費を引いた粗利で比べてください。
問い合わせなしの来店はどう数えればよいですか
来店時のアンケートや受付での聞き取りで数えます。回答はあいまいになりやすいので、月ごとの増減ではなく、3か月分をならした傾向で見ます。
ポータルをやめて、自社集客だけにできますか
できる店は限られます。ポータルで店を知ってからホームページを見に来る客がいるため、やめると自社集客の数字も落ちることがあります。まず比率を少しずつ変え、店全体の来店数で確かめてください。
まとめ
ポータルサイトの掲載費が高いかどうかは、月額ではなく、反響1件・来店1組・成約1台あたりの費用と、販促費を引いた粗利で判断します。反響の単価だけで比べると、問い合わせなしで来店する客が多い自社集客が不利に見えるため、来店と成約の段まで数えてから比べます。
ポータルで知り、ホームページで確かめてから来店する客がいるため、比べた結果が良くてもポータルをすぐには減らしません。在庫の掲載の速さと掲載内容を確かめ、配分を変えるときは3か月続けて、店全体の来店数と販売台数で判定します。カーセンサーの反響課金は、月額を1件あたりの単価で割った損益分岐の件数と、自店の月の反響件数を比べて選びます。
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