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中古車販売店の広告費はいくらまで使えるか|1台の粗利から来店1組あたりの上限を逆算する

「広告費は月にいくらまでかけてよいのか」。中古車販売店からよく受ける質問です。検索すると「売上の数%が目安」という答えが多く見つかりますが、その数字の出どころは示されていないことがほとんどです。

広告費の上限は、売上の比率ではなく、1台の粗利から逆算します。1台売れたときにいくらまで販促に使えるかを決め、そこから来店1組あたり、問い合わせ1件あたりに払える額を順に出します。販売店ならではの注意点は、問い合わせをせずに来店する客が多いことです。これを数えないと、上限を低く見積もり、広告を絞りすぎます。例に使う数字はすべて仮の数字です。自店の数字に置き換えてください。

この記事でわかること

  • 広告費の上限は1台の粗利 × 販促に回す割合から始め、成約1台、来店1組、問い合わせ1件の順に換算する
  • 販売店は問い合わせなしの来店が多い。問い合わせの件数だけで上限を出すと、低く見積もって広告を絞りすぎる
  • 上限とは別に、商圏の大きさから使える広告費には天井がある。両方を見て月の予算を決める
  • 判定は3か月単位。成約1台あたりの実績の費用が上限の内側に収まっているかで見る
  • 在庫の価格や品ぞろえが競合より弱いときは、上限の内側でも広告を増やさない
広告費の上限を逆算する順序
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広告費の上限は、1台の粗利から成約・来店・問い合わせの順に逆算する

計算は次の4段です。

  1. 成約1台あたりの上限 = 1台の粗利 × 販促に回す割合
  2. 来店1組あたりの上限 = 成約1台あたりの上限 × 来店から成約する割合
  3. 問い合わせ1件あたりの上限 = 来店1組あたりの上限 × 問い合わせ1件あたりの来店組数(問い合わせなしの来店を含む)
  4. 月の広告費の上限 = 問い合わせ1件あたりの上限 × 月に見込める問い合わせの件数

仮の数字で計算します。1台の粗利が25万円、そのうち20%を販促に回すと、成約1台あたりの上限は5万円です。来店した組のうち40%が成約するなら、来店1組あたりの上限は2万円になります。

業種を問わない「粗利から広告予算を決める」考え方そのものは、当社のコーポレートサイトの広告予算はいくらが適正かで詳しく扱っています。この記事では、中古車販売店で数字が変わる部分に絞ります。

1台の粗利に何を含めるかを先に決める

最初の数字がぶれると、その後の計算がすべてぶれます。1台の粗利に何を含めるかを決め、決めたら途中で変えないことが大事です。

含めるか検討するもの 考え方
車両本体の粗利 必ず含める。経路ごとに平均が違うことが多いので、分けて記録する
諸費用や付帯商品の利益 保証、コーティング、用品などを毎回ほぼ付けているなら含めてよい
ローンの手数料収入 利用する客の割合が安定しているなら含めてよい
その後の車検・整備の利益 自社で整備工場を持ち、再来店の実績があるなら別枠で考える。最初は含めない

含める範囲を広げるほど上限は上がり、広告を強く出せます。そのぶん、見込みが外れたときの損も大きくなります。迷ったら、確実に入る車両本体の粗利だけで始め、実績を見て広げてください。

販促に回す割合は店の方針で決めます。割合を上げれば台数は伸ばしやすくなり、1台あたりに残る利益は減ります。どの割合でも、決めた上限を超えて使い続けないことが大事です。

問い合わせなしの来店を数えないと、上限を低く見積もる

販売店の広告で最も誤りやすいのが、この段です。中古車販売では、問い合わせをせずに来店する客が多くいます。ホームページで在庫と店の様子を見て、そのまま来店するためです。当社の支援経験でも、問い合わせの件数だけを成果にした運用では、来店につながらないことがあります。

仮の数字で、問い合わせ1件あたりの上限を2通りに計算してみます。月の問い合わせが20件、そのうち来店したのが10組、問い合わせなしで来店したのが15組だったとします。

数え方 問い合わせ1件あたりの来店 問い合わせ1件あたりの上限
問い合わせ経由の来店だけを数える 10組 ÷ 20件 = 0.5組 2万円 × 0.5 = 1万円
問い合わせなしの来店も数える 25組 ÷ 20件 = 1.25組 2万円 × 1.25 = 2.5万円

問い合わせ経由の来店だけで計算すると、上限は1万円になり、実際に払える額の半分以下で広告を止めてしまいます。問い合わせなしの来店は、来店時のアンケートや受付での聞き取りで数えます。回答はあいまいになりやすいため、3か月分をならした数字を使ってください。

Google広告には、広告を見た人の来店を推計する仕組みもありますが、出稿額や配信期間によっては数字が出ないことがあります。来店や成約のデータを広告に返す方法は、コーポレートサイトのオフラインコンバージョンの解説を参考にしてください。

上限とは別に、商圏から見た広告費の天井がある

問い合わせ1件あたりの上限が分かっても、広告費をいくらでも増やせるわけではありません。来店できる範囲に住む人の数には限りがあり、同じ地域で探している人に広告を出し尽くすと、それ以上は増えないか、遠くの人に広告が出て効率が落ちます。

商圏の人口から広告費の目安を出す考え方は、自社ホームページにかける販促費で紹介しています。月の予算は、粗利から出した上限と、商圏から見た目安の小さいほうに合わせます。

状況 判断
粗利から出した上限 > 商圏から見た目安 目安まで使う。余った分は無理に使わない
粗利から出した上限 < 商圏から見た目安 上限まで使う。広告の中身か誘導先のページを改善して単価を下げる

広告費を増やすときにキーワードを広げると、今のホームページに合わない人が増え、単価が悪くなることがあります。増額するときは、その予算でどの検索語に出し、今のページで受けきれるかを先に確かめてください。検索広告の設計は中古車販売店のGoogleリスティング広告で扱っています。

判定は3か月単位で、成約1台あたりの実績の費用を見る

車は検討期間が長く、広告を見た月に来店するとは限りません。月ごとの数字で広告費を上げ下げすると、効いた施策を止めてしまうことがあります。

  1. 上の計算で出した上限と、月の予算を決める
  2. 3か月は同じ予算で続け、広告費、問い合わせ、来店(問い合わせなしを含む)、成約台数を記録する
  3. 3か月分の合計で、成約1台あたりの実績の費用を出す
  4. 実績が上限の内側なら、商圏の目安まで予算を上げてよい。外側なら、広告の中身と誘導先のページを見直す

見直すときは、広告費だけでなく店全体の来店数と販売台数も確かめます。広告で数えられる来店が減っても、店全体が増えていれば、別の経路に置き換わっただけのこともあります。来店数が伸びた店の実際の取り組みは総来場が増えるために行ったことで紹介しています。

上限の内側でも、広告を増やさないほうがよい場合

計算上は使える予算が残っていても、次の場合は広告を増やす前に別の手を打ちます。

  • 在庫の価格や品ぞろえが、地域の競合より弱い。在庫は販売店の最大の集客力で、広告で人を呼んでも比べられて選ばれない
  • 誘導先のページで在庫がすぐ見られない、店の強みが伝わらない。広告費が来店に変わらない
  • 経路ごとの来店と成約を数えていない。上限の内側かどうかを判定できない
  • ポータルサイトの掲載を使い切っていない。仕入れから掲載までに日数がかかっているなら、先にそこを縮める

ポータルサイトと自社集客の費用の比べ方は、ポータルサイトの掲載費と自社集客の比べ方で扱っています。媒体ごとの使い分けは自動車のWEB広告にまとめています。

よくある質問

広告費は売上の何%が目安ですか

売上の比率で決めることはお勧めしません。同じ売上でも、1台の粗利や成約までの割合は店によって大きく違うためです。1台の粗利から上限を逆算し、商圏から見た目安と比べて決めてください。

販促に回す割合は何%にすればよいですか

決まった正解はありません。台数を伸ばしたい時期は高め、利益を残したい時期は低めに置きます。大事なのは、決めた割合から出した上限を超えて使い続けないことです。

ポータルサイトの掲載費も広告費に含めますか

店全体の販促費としては含めます。ただし、経路ごとの判定では、ポータルと自社集客を分けて、それぞれの成約1台あたりの費用を出してください。

新車ディーラーや買取店でも同じ考え方で使えますか

使えます。ただし、買取や整備は問い合わせがそのまま成果につながるため、問い合わせなしの来店を数える段は小さくなります。何を成果として数えるかを業態ごとに決めてから計算してください。

まとめ

中古車販売店の広告費は、売上の比率ではなく、1台の粗利から逆算します。1台の粗利に販促に回す割合を掛けて成約1台あたりの上限を出し、来店から成約する割合で来店1組あたり、問い合わせ1件あたりの来店組数で問い合わせ1件あたりの上限へと換算します。

このとき、問い合わせなしで来店する客を数えないと、上限を低く見積もって広告を絞りすぎます。月の予算は、粗利から出した上限と商圏から見た目安の小さいほうに合わせ、3か月続けて、成約1台あたりの実績の費用で判定します。在庫や誘導先のページが弱いときは、上限の内側でも広告を増やす前にそちらを直します。

自店の粗利と来店の数字から広告費の上限を出したい場合は、無料相談フォームからご相談ください。広告の運用を任せる先を選ぶときは広告代理店の選び方を参考にしてください。当社の支援内容はサービス紹介資料にまとめています。

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執筆・監修:NEXTGATE LiSMOtech マーケティング事業部

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