中古車販売店は来店をどう数えるか|問い合わせなしの来店を「見に来た車」で広告の成果に含める
広告を出しているのに、代理店の報告書には問い合わせが月に数件しか載っていない。それでも店頭には「ホームページを見て来た」というお客様が来ている。中古車販売店でこのずれが起きるのは、お客様の多くが問い合わせをせずに来店するからです。
この記事では、問い合わせなしの来店を広告の成果に含めるために、店側で何を記録し、月に1回どう突き合わせればよいかを説明します。読み終えると、来店台帳に書く項目と、代理店に渡す数字が決められます。
この記事でわかること
- 来店は1つの方法では数えきれない。広告の数字、来店台帳、成約の記録を重ねて読む
- 来店台帳には「何を見て来たか」より「どの車を見に来たか」を書く。車の掲載先から経路をたどれる
- ローン・リース中心の店や、広告費が小さい店は、来店の計測に手をかけなくてよい


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来店は、広告の数字・来店台帳・成約の記録を月1回突き合わせて数える
中古車販売店の来店を、広告の管理画面だけで正確に数える方法はありません。広告の数字は来店の手前までしか見えず、店頭のアンケートはお客様の記憶に頼ります。そこで、広告の数字、店頭の来店台帳、成約の記録の3つを重ねて、月に1回突き合わせます。
3つを重ねる手がかりになるのが、お客様が見に来た車です。問い合わせをしなくても、来店したお客様は特定の在庫を見に来ていることが多く、その車をどこに載せていたかで、来店の経路をかなりの確度でたどれます。在庫という「商品の個体」がある中古車販売ならではの数え方です。
販売の集客全体の考え方は 自動車販売の集客方法、代理店をどう選ぶかは 広告代理店の選び方 にまとめています。この記事は、そのどちらにも必要な「来店の数え方」を店側の作業として掘り下げます。
中古車販売で来店を数えなければならない理由
問い合わせの数だけで広告を評価すると、中古車販売店は広告を悪く見積もり、運用の向きも誤ります。理由は3つあります。
お客様の多くは、問い合わせをせずに来店する
当社の支援経験では、販売では在庫をネットで確認してから、問い合わせをせずに直接来店するお客様が多くいます。営業担当にとっても、問い合わせのやり取りを挟まずに来てもらえるほうが手間がかかりません。60代のお客様でも、ネットで在庫を見てから来店しているデータが多く見られます。
問い合わせに合わせて広告を動かすと、来店が減ることがある
広告の自動入札は、成果として登録した行動が増えるように配信先を選びます。問い合わせだけを成果にすると、問い合わせをしやすい人に配信が寄り、来店する人に届かなくなることがあります。当社の支援経験でも、問い合わせに最適化した結果、来店が減った店があります。
広告費の上限は、来店1組あたりで決める
1台の粗利から広告費の上限を逆算すると、上限は「来店1組あたりいくらまで」の形で出ます。来店を数えていないと、この上限と実績を比べられません。逆算の手順は 中古車販売店の広告費はいくらまで使えるか で説明しています。
ただし、同じ販売でも売り方で成果の置き方は変わります。在庫販売が中心なら来店を重視し、低金利ローン・リース・自社ローンなど買い方で差別化している店は、審査の相談が入口になるため問い合わせを重視します。後者は「来店の計測に手をかけなくてよい店」で改めて触れます。
来店を数える方法は5つあり、どれにも見えない部分がある
来店を数える方法はそれぞれ、分かることと分からないことがはっきり分かれています。1つを選ぶのではなく、弱点を補い合う組み合わせで使います。
| 数え方 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| Google広告の来店コンバージョン | 広告に接した人の来店の推計 | 条件を満たさないと表示されない。個々の来店客は分からない |
| 来店予約・在庫問い合わせ・電話 | 広告から来た人の行動 | 予約せずに来た人。予約した人が本当に来たか |
| ビジネスプロフィールのルート・通話 | 地図から店に向かおうとした人の数 | どの広告・媒体を見たか |
| 来店台帳 | 実際に来た組数と見に来た車 | お客様の記憶に頼る部分 |
| 商談・成約の記録 | 売れた車と粗利 | 来店までの経路 |
Google広告の来店コンバージョン
Google広告には、広告を見たりクリックしたりした人の実店舗への来店を推計して表示する来店コンバージョンがあります。集計された匿名の統計から推計する仕組みで、個々のお客様が特定されるものではありません。使うには、広告で住所アセットを表示していること、ビジネスプロフィールで店舗所在地の確認が済んでいること、広告のクリック数や表示回数と来店数が十分にあることなどが条件です(Google 広告ヘルプ「来店コンバージョンについて」、2026年9月確認)。
広告費が少ない1店舗の中古車販売店では、条件を満たせず来店が表示されないことがあります。表示されれば有力な数字ですが、表示されない前提で残りの方法を組んでおきます。
来店予約、在庫の問い合わせ、電話
ホームページに来店予約と在庫確認の導線を置くと、広告から来た人の行動を数えられます。送信ボタンは「来店予約をする」「在庫を確認する」のように、押した後に何が起きるかが分かる文言にします。電話は台数が多い店ほど件数がまとまるため、ホームページの電話番号のタップも数えます。電話を成果として計測する設定は 電話問い合わせをコンバージョンとして計測する方法 で説明しています。
これらは来店そのものではありません。予約した人が実際に来たかは、来店台帳で後から確かめます。
ビジネスプロフィールのルートと通話
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、店へのルートを検索したユーザーの数や、通話ボタンが押された回数を確認できます(Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」、2026年9月確認)。地図から店に向かおうとした人の動きなので、来店の先行指標として月ごとの増減を見ます。ただし、その人がどの広告やポータルを見ていたかは分かりません。
来店台帳と、商談・成約の記録
実際に来た組数を知る方法は、店頭で記録することしかありません。商談や成約の記録と合わせると、来店から成約、粗利までがつながります。次の節で、来店台帳に何を書くかを説明します。
来店台帳には「何を見て来たか」より「どの車を見に来たか」を書く
来店台帳の中心に置くのは、お客様が見に来た車の管理番号です。「何を見て来ましたか」という質問への答えは、それより補助的な情報として扱います。
理由は、お客様の記憶が曖昧だからです。ポータルサイトで車を見つけ、ホームページで店を確かめ、Googleマップで道を調べて来たお客様は、そのうちどれか1つだけを答えることがよくあります。来店アンケートは営業担当が聞き取るため、聞き方によっても答えが変わります。一方で、見に来た車は営業担当が確実に把握しています。
見に来た車が分かれば、その車を載せていた場所から経路を推定できます。たとえばホームページと広告の遷移先にだけ載せていた目玉車を見に来たなら、自社集客の来店です。ポータルにだけオプションを付けて上位に出していた車なら、ポータル経由の可能性が高くなります。
| 台帳の項目 | 書く理由 |
|---|---|
| 来店日と組数 | 月ごとの来店数の土台 |
| 見に来た車の管理番号 | 掲載先から経路をたどる |
| 事前の連絡 | 予約・問い合わせ・電話・なしのどれか |
| 何で知ったか(複数回答) | 1つに絞らせない |
| 住まいの市区町村 | 広告の配信地域と照らす |
| 商談の結果 | 成約・検討中・見送り |
項目を増やすほど、忙しい土日に記入が抜けます。まず「見に来た車」と「事前の連絡」の2つを必ず書くと決め、残りは書ける範囲で構いません。「何で知ったか」は1つに絞らせず、当てはまるものをすべて聞くほうが、実際の経路に近づきます。
ポータル経由の来店と、自社集客の来店を切り分ける
来店台帳ができると、ポータルサイトと自社集客のどちらが来店を生んでいるかを比べたくなります。このとき注意したいのは、2つは奪い合う関係ではなく、1人のお客様の中でつながっていることが多い点です。
当社の支援経験では、普通車は「ポータルで探し、ポータルで決める」、軽自動車は「ポータルで知り、ホームページで決める」傾向があります。軽自動車中心の店で「ホームページ経由の来店が伸びたから、ポータルの掲載費を減らす」と判断すると、ホームページに来る前の入口を削ることになり、総来場が減ることがあります。
ポータルの成果は、来店アンケートに頼らず、掲載1台あたりの反響数(反響数÷掲載台数)で追うのが確実です。来店台帳では、ポータル経由と自社集客の比率より、総来場と成約台数の推移を先に見ます。掲載費と自社集客の比べ方は ポータルサイトの掲載費は高いのか、ホームページで総来場を伸ばす考え方は 自社ホームページを活用して総集客数を伸ばす方法 にまとめています。
月1回の突き合わせで、来店1組あたりの広告費を出す
突き合わせは月に1回、同じ手順で行います。1回で結論を出さず、3か月分を並べて判断します。
- 広告の数字を集める。来店予約、在庫の問い合わせ、電話、表示されていれば来店コンバージョン
- 来店台帳から、月の来店組数と見に来た車の一覧を出す
- 見に来た車ごとに掲載先を照らし、広告の遷移先やホームページに載せていた車の来店を拾う
- 成約した車と粗利を記録から拾い、来店1組あたり・成約1台あたりの広告費を出す
数字は仮のもので説明します。たとえば月の広告費が30万円で、手順3で広告やホームページ経由と判断できた来店が15組なら、来店1組あたりの広告費は 30万円 ÷ 15組 = 2万円です。このうち5台が成約していれば、成約1台あたりは 30万円 ÷ 5台 = 6万円になります。これを1台の粗利から逆算した上限と比べ、下回っていれば広告費を維持または増やす判断ができます。
来店が減った月は、年齢層、住まいの地域、見に来た車の価格帯のどこが減ったかを台帳から確かめます。WEBだけの成果と、看板や通りがかりを含む店全体の来店を並べて見ることも欠かせません。落ちたときに見る順番は WEB集客に苦戦したら見るべき箇所 で説明しています。
成約の記録が月に一定数たまるようになったら、成約を広告の管理画面に戻して配信に学ばせる方法もあります。仕組みと注意点は オフラインコンバージョンとは を参照してください。件数が少ないうちは、まず台帳での突き合わせを続けるほうが確実です。
代理店に渡す数字と、代理店から受け取る数字
来店を数える仕組みは、代理店に任せきりにできません。来店台帳と成約の記録は店にしかないからです。代理店とは、毎月次の数字をやり取りします。
| 店から代理店へ | 代理店から店へ |
|---|---|
| 月の来店組数 | 媒体・キャンペーン別の広告費 |
| 見に来た車の一覧 | 来店予約・在庫問い合わせ・電話の件数 |
| 成約台数と粗利 | 来店コンバージョンの有無と件数 |
| 売れた車・入荷した車 | 来店1組あたりの広告費の推移 |
来店を成果に置くと、広告と成果のつながりはどうしても曖昧になります。その曖昧さを理由に「来店は増えている印象です」と報告する代理店もいます。店の来店台帳と代理店の数字を同じ表に並べて説明できるかどうかで、代理店の力量が分かります。契約前に確認することは、冒頭で案内した代理店の選び方の記事にまとめています。来店の数え方を含めて運用を見直したい場合は、無料相談フォームからご相談ください。
来店の計測に手をかけなくてよい店
来店台帳と月1回の突き合わせには手間がかかります。次の店では、先に別のことに手をかけたほうが効果的です。
- 低金利ローン・リース・自社ローンで集客している店。審査の相談が入口なので、問い合わせを成果に置き、問い合わせから審査通過、来店までの歩留まりを追います
- 月の広告費が小さく、来店が数組の増減しかしない店。数字の揺れが大きく、突き合わせても判断材料になりません。まず来店予約と在庫問い合わせの導線を整えます
- 在庫の撮影から掲載までに日数がかかっている店。来店を数える前に、商品を早く市場に出すほうが来店に効きます
- 整備・鈑金・コーティングなど入庫型の事業。問い合わせがそのまま成果になるため、問い合わせを数えれば足ります
整備・車検の集客の考え方は 車検集客のアイデア にまとめています。
よくある質問
来店コンバージョンが管理画面に表示されません
住所アセットの表示、ビジネスプロフィールの店舗所在地の確認、十分なクリック数と来店数などの条件を満たしていない可能性があります。条件を満たしても表示されない規模の店は、来店予約・在庫問い合わせ・電話と来店台帳の組み合わせで数えます。
来店アンケートで「ポータルを見た」という答えが大半です
それだけで広告やホームページの効果が無いと判断しないでください。ポータルで車を見つけ、ホームページで店を確かめて来た方も「ポータル」と答えることがあります。見に来た車の掲載先と、総来場の推移を合わせて判断します。
来店台帳は紙でも構いませんか
構いません。続けられることが一番大事です。月に1回、見に来た車の管理番号と事前の連絡の有無を表計算に写せば、突き合わせには足ります。
来店予約を増やすために、予約特典を付けるべきですか
特典を付けると予約の件数は増えやすくなりますが、もともと予約なしで来ていた人が予約に移るだけのこともあります。予約の件数ではなく、総来場と成約台数が増えたかで判断してください。
まとめ
中古車販売店の来店は、1つの方法では数えきれません。広告の数字、来店台帳、成約の記録を、お客様が見に来た車を手がかりに月1回突き合わせ、来店1組あたり・成約1台あたりの広告費を出します。来店台帳はまず「見に来た車」と「事前の連絡」の2項目から始め、ポータルと自社集客は奪い合いではなくつながりとして読みます。ローン・リース中心の店や入庫型の事業は、問い合わせを成果に置けば足ります。
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